中耳炎
定義
中耳炎は鼓膜の奥にある空洞(中耳)に炎症を起こす病気です。急性中耳炎は、風邪やのどの炎症が、耳管という管を通って中耳へ移り発症する病気です。子供の約75%が3歳までに中耳炎にかかり、その子供の半分は、4歳までに3回も中耳炎にかかります。
滲出性中耳炎は、中耳に滲出液がたまる病気で子供とお年寄りが多くかかります。滲出液が溜まるため聞こえが悪くなりますが、子供の場合は、聞こえなくなっていても、自分で耳が聞こえないとは言わないことがほとんどで、ただ不機嫌なだけに見えたり、言葉の発達の遅れなどが唯一の症状のこともあります。慢性中耳炎は、これらの中耳炎が十分に治りきらずに、鼓膜に穴が開いた状態になった病気で、鼓膜の穴から断続的に耳漏が見られ、聞こえも悪くなります。この中には、進行性に悪くなり、脳に炎症を起こしたり、顔面神経麻痺(片方の顔が動かなくなる)を起こすことさえもあります。
急性中耳炎・慢性中耳炎の治療は2つのステップに分けられます。1.感染菌を退治する。 2.耳の中を湿らせないように気を付ける。抗生物質などで感染菌を抑えるのに加え、入浴時の水や汗などと一緒に再び細菌が耳に入らないよう、充分に注意する必要があります。そのためには耳栓をすることが最も確実です。滲出性中耳炎の場合には、抗炎症剤や点鼻薬を使って炎症で狭くなった耳管を広げ、中耳にたまった滲出液が外へ流れ出るようにします。しかし、薬によって中耳にたまった滲出液が外に流れ出ないことも多いため、ほとんどの場合、病院では、滲出液を出すために鼓膜を切開したり、鼓膜に小さいチューブを挿入したりします。その際に必ず病院でも“耳に水が入らないよう、注意すること“と言われるはずです。細菌をたくさん含んだお風呂の水や汗が耳に入ると、病気はさらに悪化します。必ず耳栓をさせる必要があります。
たとえ中耳炎にかかっていても、しっかりした耳栓で防護すれば、耳の中に水が入ることはないため水泳をしても大丈夫です。
文献- 総合荻窪病院耳鼻咽喉科 菅家 元「小児科診療・1998年8号 夏と小児疾患」
- *Gates GA, Cost-effectiveness Considerations in Otitis Media Treatment, Otolaryngol Head Neck Surg, 114 (4), April 1996, 525-530.
- http://my.webmd.com/content/article/1680.51736
- McKinley Health Center, www.mckinley.uiuc.edu/info/dis-cond/misc/otitisme.html
- Miller-Keane Medical Dictionary, 2000.
- Practical Otology, Daniel J. Pender, J. B. Lippincott Company, 1992. 6. Audiology and Auditory Dysfunction, George T. Mencher, Sanford E. Gerber, Andrew McCombe, Allyn & Bacon, 1997.
*必読: 中耳炎と子供の成長 重要
ボストンの中耳炎研究会は、7年間にわたって194人の子供の治療にあたった医師から、中耳炎に関するデータを収集しました(誕生から3才までの年間来診回数の平均は7回)。また、研究の目的を知らない診断専門の医師が、定期的に知力・認識力・言語力のデータを調べました。 本文では、2つの7才児のグループについて結果を報告しています。1つのグループは30日以内に中耳炎にかかっていた子供たちです。もう1つのグループは130日以上中耳炎にかかっていた子供たちです。 社会的要因や経済的要因を補正した後の結果を見ると、中耳炎にかかった期間の短い子供は、中耳炎にかかった期間が長い子供より、はるかに早く能力が成長しました。読解力や数学の成長には1年以上もの差が見られます。
文献文献- Teele, et al (1990) Otitis Media in Infancy: intellectual ability, school achievement, speech and language stage 7 years
